『G線上のあなたと私』3話
也映子(波瑠)と理人(中川大志)が居酒屋で向き合いビールを飲む。幸恵(松下由樹)の急遽の欠席はあったものの、『G線上のアリア』を披露し大成功で終わった秋の発表会の打ち上げと称して海鮮居酒屋に入った2人。眞於(桜井ユキ)に盛大にフラれた理人はそれを紛らわすかのようにまだ慣れないビールを飲む。
印象的だった也映子のマジ泣き。
何よ。“時間を無駄にすることになります”って。
何?無駄って?無駄って何?
理人くんの努力をあなたは知ってるのか?
意味がないってわかってても一人でカラオケで練習したりとか
くっそウザいマニュアル作って仲間スパルタ教育したりとか
そういうの全然知らないくせに
加瀬理人の今までを全否定するような、あんな言い方ってない。
だけどあれ以上の断り方もない。
先生めちゃくちゃ素敵な人だよ。
理人くんが好きになるのわかるよ。
間違ってないよ、絶対正解。
バイオリン続けようよ。
せっかく弾けるようになったしさ。
理人くん、ビブラートすごい上手だしさ。
きっともっといろんな曲が弾けるようになってもっと楽しくなるよ。
幸恵さんだってこんなのが最後じゃすごい残念だと思うしさ。
3人で続けようよ。
ね?やろうよ、やめないでよ。
少し前まで赤の他人だった3人。3人ともがそれまで特に仲が良いと言える人はいなかったように思える。そんな3人が“大人の”バイオリン教室で出会いその仲を深めていった。赤の他人のために涙を流し、この3人の場所をなくしたくないからとマジ泣きしてしまう也映子が愛おしくて仕方ない。そして、照れ隠しでそれを笑ってしまう理人も可愛い。
人間的に魅力的でとっても素敵なのになぜ特に仲が良いと言える人がいない(ように思える)のか。也映子は婚約破棄されたことを退社の時まで誰にも伝えず家族といとことしか心を通わせていない。理人は大学やバイト先で人間関係が充実しているような感じはなく家族にも居場所がなさそう。幸恵は夫と義母と良い関係ではなく唯一の救いは娘だけ。
どうしてだろうとなんとなく考えながら見ていたけど、人間関係はコミュニティがないと成り立たない、いや深まらないからなのではないか。僕自身学生時代の部活で築いた人間関係をすり減らしながら生きていて、今更新しく深い関係になる人ができる気は全くしない。「“大人の”バイオリン教室」という本来必要ない場所、コミュニティによって、そしてそこに恋愛や家族というようなパーソナルなことが絡み合い、3人の仲は深まっていった。
大人になって新しい出会いを見出すためには、自分自身を新しいコミュニティに放り込むことが必要だと思った。それも利害関係のないコミュニティに。
中川大志くんのシャッタードン最高だった。もっとくれ。